Excelで覚えておくとすごく便利な関数と言えばVLOOKUP関数です。
このVLOOKUP関数はとても多くの場面で利用できる関数で、身に付けておくと色々な場面で役に立ちます。
最初のうちは少し慣れるのが難しいとも言われているのがこのVLOOKUP関数です。
そのため、パソコン教室とかだとVLOOKUP関数は上級編に位置づけされているので、使えるようになるまでに時間がかかります。
ですが、むしろ知らないと、「え!?こんな良い機能を知らなかったのか!!」と思ってしまう機能です。
使ったことある人は、難しいと決めつけ、頭を抱えて覚えるのを諦めてしまった人もいるのでは無いでしょうか。
正直言って考え方さえ覚えてしまえば、全然難しいわけではないので絶対に覚えてください!
動画で分かりやすいように解説しているので、初心者でも確実に覚えることができます!!
今回はこのVLOOKUP関数の役割と使い方を紹介します。
VLOOKUP関数とは?
そもそもVLOOKUP関数はどのような場面で利用する関数かご存知ですか?
例えば、下の図のような表があったとします。この表は、とあるスポーツ用品店で、日々の商品の売り上げを管理するための表です。
仮に4/2にグローブが売れた場合、入力途中の4件目にこの情報を追加すると思いますが、この際は商品名の項目に「グローブ」と入力し、続いて単価の項目に「13,000」と入力することになります。
当然これでも間違いではありません。ただ売れた商品がグローブだった場合、単価の項目に入力されるデータは「13,000」しかあり得ません。
こう考えると、少し効率が悪いとも言えます。
このような場面で役に立つ関数が「VLOOKUP関数」です。
VLOOKUP関数を利用すると、商品名に「グローブ」と入力された時点で、売り上げ一覧表の横にある商品一覧の表から「グローブ」に対応した単価「13,000」を検索し自動的に単価を表示させることができます。
VLOOKUP関数の使い方
動画で使用しているエクセルファイルは、無料でダウンロードして練習する事が出来ます。
関数による結果を表示したいセル(例ではD8)を選択し、「数式」タブ内の「関数の挿入」ボタンをクリックします。
表示された「関数の挿入」画面内の「関数の分類」を「検索/行列」に変更します。その後、関数名の一覧から「VLOOKUP」を選び「OK」ボタンをクリックします。
新たに表示された「関数の引数」の画面で、各引数を指定していきます。
第1引数の「検索値」では、VLOOKUP関数による検索の基準値を示します。
今回は「商品名」の項目に入力された値を基準(手がかり)として検索してほしいので、商品名の入力されるセルC8を指定します。
続いて第2引数の「範囲」では、「検索値」で指定した値を検索する範囲を指定します。
今回は、商品名の項目に入力されたデータを商品一覧の表から探してもらいたいため、商品一覧の表を項目名を除く形(例ではJ5:K9)で指定します。
もし、この後このVLOOKUPを使用した数式をオートフィルで他のセルでコピーするのであれば、この範囲は絶対参照化しておきます。
そして第3引数の「列番号」では、VLOOKUPによる検索の結果該当したデータのどの項目の値を計算結果として表示するかを指定します。
今回の例では、商品一覧表の「単価」の値を求めるため、第2引数の「検索範囲」で指定した範囲のうち左から2列目ということで「2」と指定します。
最後の引数「検索方法」では、「検索値」で指定した値と「完全に一致するものだけ」を検索するか、もしくは完全に同じ値が無かった場合に「近い値」を検索するかを指定します。
今回の例では完全に一致するものだけを検索してもらいたいため、「false」と入力します。
以上で関数の設定は完了です。「OK」ボタンをクリックするとVLOOKUP関数が動作します。
手入力で入力する場合は「=VLOOKUP(C8,$J$5:$K$9,2,FALSE)」となります。
VLOOKUPの#N/Aエラーの原因と回避方法
VLOOKUPは場合によって、正しい値ではなく「#N/A」というエラーが表示される場合があります。
これは数式が間違えているわけではないので安心してください。
このVLOOKUP関数は、検索する基準となる「検索値」に指定したセルが空白だった場合、「答えが見つからない」という意味の「#N/A」というエラーを表示するように作られています。
これはVLOOKUP関数の仕様であり、検索値に値を入力すればエラーではなく正しい検索結果が表示されるため、あまり気にしないのであればこのまま諦めるのが一番簡単です。
要するに、ExcelでVLOOKUPを使用するとこのエラーが出てしまうのは仕方がないのです。
ですが、実はこのエラー表示はVLOOKUP関数とIF関数とを組み合わせることで回避することができます。
VLOOKUP関数のエラー回避方法
動画で使用しているエクセルファイルは無料でダウンロードして、練習する事が出来ます。
VLOOKUPのエラー改善練習ファイル
IF関数でVLOOKUPエラーを消すには、「もし、エラーだった場合空白にする。エラーじゃなかった場合VLOOKUPを行う」という処理をIF関数で指定してあげればできます。
最初に関数の挿入ボタンから解説します。
もし、直接入力する場合は、下の方で解説しています。
それではまず、関数による結果を表示したいセル(例ではD8)を選択し、「数式」タブ内の「関数の挿入」ボタンをクリックします。
表示された「関数の挿入」画面内の「関数の分類」を「論理」に変更します。
その後、関数名の一覧から「IF」を選び「OK」ボタンをクリックします。
新たに表示された「関数の引数」の画面で、各引数を指定していきます。
第1引数の「倫理式」には、「VLOOKUP関数の検索値の値が空白だったら」を意味する式を入力します。
今回の例ではVLOOKUP関数によって商品名を手掛かりに検索してもらうため、検索値は商品名が入力されるセルC8になります。
つまり、「C8=””(ダブルクォーテーションを2つ続けて)」と入力します。
続けて第2引数の「真の場合」には、真だった時に何も表示しないという条件にしたいので、単に「””(ダブルクォーテーションを2つ続けて)」とだけ入力します。
最後の引数「偽の場合」には、VLOOKUP関数による数式を入力します。
今回の例では「VLOOKUP(C8,$J$5:$K$9,2,false)」となります。
以上で操作は完了です。「OK」ボタンをクリックします。すると、VLOOKUP関数の検索値に指定したセルが空白の状態でも、「#N/A」というエラーは表示されません。
そして、検索値に値(例ではグローブ)と入力すると、VLOOKUPによる検索が行われます。
このようにIF関数を組み合わせて利用することで、VLOOKUP関数の「#N/A」を回避することができます。
関数でエラーが出た時の対処方法は、関数を組み合わせる以外にも「条件付き書式」を組み合わせることによっても可能になります。
関数を2つくっつける場合は、手入力したほうが簡単に関数を使う事が出来ます。
もし、関数の挿入ボタンを使っている場合は、このレベルまで来ている場合直接入力を挑戦してみてください。
IF関数とVLOOKUP関数を直接入力する場合
「=IF(C8=””,””,VLOOKUP(C8,$J$5:$K$9,2,false))」というようになります。
この場合の考え方は「=もし(C8が空白だった場合,空白を表示する,そうじゃなかった場合VLOOKUPを行う)」という考え方をします。
考え方としてはどちらを使っても同じ考え方で解いていきます。
まとめ
以上のように、VLOOKUP関数を使用することで、特定の値を検索し、検索結果をセルに表示させることができます。
1つの関数の中で引数を4つも指定する必要があるため難しく感じるかもしれませんが、とても便利な関数の1つなので、是非使い方をマスターしてください。
また、あまり知られていませんが、このように複数の関数を組み合わせることを「ネスト」と呼びます。あまりにも知っている人がいないので、人に言っても通じないかもしれないですが。
VLOOKUP関数が理解できるようになれば、確実に作業効率が早くなると言っても間違い無いでしょう。
そのくらい大事な関数ですので、難しいからと諦めず使いこなす気持ちで使ってみましょう!