Excelで先頭や末尾の空白を削除できるTRIM関数の使い方

  • 2018年8月30日
  • 2020年11月5日
  • Excel

Excelを使っていて余分な空白が入っていて削除したいなってときありますよね。

空白が後ろに入っていてフィルターが上手くいかなかったり、先頭にスペースが入りすぎてるとかよくあります。

フィルターをかけようと思ったら、「同じ言葉なのに2つもある!?Excelが壊れた!」って思う方も実は少なくありません。

Excelが壊れたわけではなく、同じ単語でもスペースが入っていると別の単語として認識されてしまったりするので、空白をすべて取り除いてあげる必要があります。

そんな時に使えるのが「TRIM関数」です。TRIM関数を使えば余分な空白を削除してくれるのでものすごく便利な関数です!

基本的に簡単に使えるのですが、TRIM関数は使うにあたって絶対に覚えておくべき注意点があるので合わせて覚えておきましょう。

TRIM関数の仕組みについて

TRIM(トリム)関数とは「空白を削除する」関数です。
ですが「途中に空白がある場合は空白を1つまで削除する」関数です。

ややこしいですが例えば「金子    晃之」と入力されていた場合は、「金子 晃之」と1文字の空白を開けてくれます。

前後は全部消してくれますが、間の空白は1つにしてくれると覚えて下さい!

TRIM関数の使い方

今回は単語の後ろにスペースが入っている状況を想定して、TRIM関数を使っていきます。

1.このように入力されている場所があります。

2.フィルターを使うと同じ単語が複数表示される。

これをTRIM関数で重複しているのを削除していきます。(厳密には重複ではなく最後にスペース入っている)

3.先ほどの空白が入っていた右側に、1列追加する。

やり方は「C列で右クリック⇒挿入」で簡単に追加する事が出来ます。

4.空白の場所でTRIM関数を使う

数式=TRIM(空白を取り除きたいセル)

これで使う事が出来ます。今回はB2の後ろの空白が取り除きたいので、B2を選択します。

TRIM関数でB列全てを選択する人がたまにいますが、指定するセルは1つだけなので注意してください。

5.そうすると空白が取り除かれている。

今回の場合だと後ろの空白が取り除かれているので、見た目では全く分からないです。

6.TRIM関数で1つ解けたら、オートフィルで全てにコピーしましょう。

7.フィルターを確認してみると、重複していたセルが1つの単語になっているのが確認できました。

後ろのスペース(空白)が無くなったので、同一として扱われるようになったという事です!

TRIM関数を使えば空白を簡単に削除する事が出来ました!

TRIM関数は削除するとエラーになる対処方

実はTRIM関数はそのまま使うと、困ることが起きてしまいます。

TRIM関数で空白を取り除いたから、最初にあったセルを消してしまうと実はエラーになってしまいます。

なぜこうなってしまうのかというと、数式で指定した「空白を取り除いたセル」が削除されると参照先がなくなるからです。

当然と言えば当然ですね。
ですが、TRIM関数での参照先はハッキリ言っていらないです。

じゃあどうすれば良いのかというと、値の貼り付けを使います。

TRIM関数は非表示を使わず値を貼り付ける

TRIM関数は削除するとエラーになるなら、非表示にしてしまう方が結構います。
ですが、それだと修正しようとした時に、元のセルが出ていないので修正が大変です。

じゃあどうするかというと、「値の貼り付け」を使えば全部解決します。

やり方は、

  1. C列をコピー
  2. そのままC列で右クリック
  3. 貼り付けオプションから値を選択

これで解決です。

値の貼り付けをするとなぜ解決するかというと、文字として貼り付ける機能だからです。

Excelでは通常はコピーして貼り付けると「数式」が貼り付けられますが、値の貼り付けは「文字」が貼り付けられます。

ここが重要な所です。

これをしないとせっかく空白を削除しても、そのあとに文字が入力できないので必ず覚えておきましょう。

書いてある文字をそのまま貼り付けてくれるなら、文字として認識してくれるのでそのまま修正できるという仕組みです。

TRIM関数で真ん中のスペースを半角にする方法

TRIM関数は、余分な空白を削除してくれますが、間のスペースは必ず全角になってしまいます。

もしTRIM関数を使っていて、真ん中のスペースを半角にしたいという希望がある場合は「ASC関数」を使うと簡単に実現できます。

使い方は「ASC関数の中にTRIM関数を入れる」だけです。

例えばA1が空白を削除したいセルだった場合「ASC(TRIM(A1))」です。画像はA2も同じようにオートフィルしてます。

TRIM関数の使い方を動画で理解する

TRIM関数は指定したセルの余分な空白を取り除いてくれます。下記の画像のように、空白を消したい場合に使う事が多いです。

1、空いている隣のセルに「=TRIM(」と入力し、空白を削除したいセルを選択します。

TRIM関数を使う時は、隣のセルにTRIM関数を入力することをオススメします。また、オートフィルを使い全部のセルに適用するため、空白がないとしても必ず一番上のセルを選択しましょう。

2、TRIM関数を適用すると、空白が消えた状態で表示されます。(下記の画像は指定したセルが元々空白がなかったので何も変わってないです)

3、これをオートフィルすることで、全てのセルに反映されるようになります。

4、そうしたら住所が2つ残ってしまうので、元からある方を削除しましょう。

5、元からあるセルを削除してしまうとTRIM関数で解いたセルに「#REF!」エラーが発生します。

これは先ほどまで参照していた「元のセル」がなくなってしまったため、どこを参照して良いのかわからない状態になったからです。

6、TRIM関数の「#REF!エラー」を解決するためには、文字としてコピーをしてあげると解決できます。

やり方は、TRIM関数で解いた部分をコピーします。

7、元の住所の部分に上書きするように、TRIM関数でコピーした部分を貼り付けていきます。(ショートカットの貼り付けは使わないでください)

貼り付ける際に必ず右クリックをしてから「値のみ貼り付け」を選択しましょう。(マークは「123」と書いてあるやつです)

8、値のみを貼り付けを使うことによって、関数ではなく「文字が張り付いた」状態になりました。

9、文字が張り付いたということは、そのまま手入力したのと同じ状態になるため、TRIM関数で解いた部分は不要になるので削除しておきましょう。

TRIM関数のままだと、TRIM関数で解いた文字を変更しようとしても関数が入力されているので、TRIM関数を編集する画面が表示されています。なので、必ず値の貼り付けから文字にして、それで文字を編集できる状態にしましょう。

ここまで流れとしてTRIM関数の使い方を覚えておくと便利です。

TRIM関数をフィルターで使用する

TRIM関数はフィルターで使用する事もかなり多いです。

どういう状況かというと、フィルターを使っているときに下記の画像のように同じ学部がなぜか2つ存在する事があります。(画像だと「経済学部」と「体育部」が2つかぶっています)

なぜ学部がかぶってしまっているのかというと、文字の後ろに空白が入ってしまっているからです。通常文字の後ろに空白が入力されていても人間の目には見えないので、パッと見では分からないようになっています。

これも先ほどの住所と同じように、右側に列の追加をしてからTRIM関数で解いてみましょう。(TRIM関数は空白を取り除きたい隣の列でやるとやりやすいです)

TRIM関数で一番上を解いたら、オートフィルで全部に適用させます。左側と比べても違いがわからないですよね。

ですが、TRIM関数を使用した方のフィルターを確認してみると、先ほどかぶっていた部分が1つになっているのが確認できます。

後は、TRIM関数で解いた部分をコピーしてから「値の貼り付け」を行うことによってキレイな状態にする事ができます。

コピーしたら、右クリックで「値の貼り付け」を選択しましょう。

値の貼り付けが終わったら、TRIM関数でできた部分を削除します。

これで全部の空白が削除されて、しっかりとフィルターで見てもキレイになります。

このように、見た目ではあっているように見えても、空白が入力されていて上手く計算ができないことはよくあるので注意しましょう。

そして、そのようなときはTRIM関数で空白を消してみるというのがオススメです。

最後に

TRIM関数は空白を取り除いてくれるのですごく便利ですが、同時に値の貼り付けも覚えておくとより便利に使えます。

値の貼り付けについて詳しく知りたい場合は、「コピーと値の貼り付けについて」に詳しく書いてあるのでぜひ読んでみください。

他の貼り付け方法についても書いています。

またTRIM関数は、テキストファイルやCSVなどを挿入するときなどにもよく使いますので、覚えておいて損はない機能の1つです。