Excelには、色々な計算を簡単に行うための関数がたくさん用意してありますが、その中で最も多くの人に利用される関数の一つが「SUM」関数です。
使うのは難しくないので誰でも簡単に覚えられてすごく便利です。
例えば、下のような表の場合、SUM関数を利用して一瞬で「月ごとの売上合計」を求めることができます。
今回は、このSUM関数の使い方を全て紹介します。
SUM関数とは
SUM関数とは簡単に言うと足し算をしてくれる関数です。
通常足し算をするとき、1つずつ足さなければいけないのか・・・・。と気が重くなるでしょう。
ですが、このSUM関数を利用すると、特定のセルに入力されている数値データを足すことができます。
SUM関数の使い方
SUM関数を使うときは主に3つの使い方があります。
1つ覚えておけば大丈夫ですが、1つだけでは使い勝手が悪かったりするので全部覚えておきましょう。
オートSUM(簡易計算式)の使い方
SUM関数を一番簡単に使う方法は「オートSUM」という機能を使う事です。
オートSUMはボタンを押すだけで、関数の入力から選択まで全部やってくれるという優れた機能です。
関数による結果を表示したいセル(例ではB9)を選択し、「ホーム」タブ内の「オートSUM」ボタンをクリックします。
すると特定のセルが点線で囲まれます。この点線はSUM関数による計算の対象範囲を示しています。
現在表示されている点線の範囲が自分の思惑とずれている場合は、点線の範囲を訂正します。
範囲を訂正する場合は、普通にセルを選択する要領で、目的のセル範囲をドラッグします。
点線で囲まれた範囲が正しくなったら、キーボードの「Enter」キーを押します。
すると、合計を示す値が表示されます。
オートSUMはワンボタンで自動的に判断してくれるので、すごく便利ですね。
SUM関数のショートカットキー
オートSUM(SUM関数)にはショートカットキーがあります。
ショートカットキーは「ALT + =」です。
ショートカットキーを使う事により、SUM関数を一瞬で使う事ができますし、オートSUMのボタンをわざわざ押しに行く必要がありません。
慣れないうちは「=」が遠くて使いにくいかもしれませんが、よくSUM関数を使うという方はショートカットキーを覚えることでかなり作業効率がありがります!
SUM関数の挿入【数学/三角】
関数による結果を表示したいセル(例ではB9)を選択し、「数式」タブ内の「関数の挿入」ボタンをクリックします。
表示された「関数の挿入」画面内の「関数の分類」を「数学/三角」に変更します。
その後、関数名の一覧から「SUM」を選び「OK」ボタンをクリックします。
新たに表示された「関数の引数」の画面内にある「数値1」の欄で、合計を求めたいセル範囲(例ではB4:B8)を指定して「OK」ボタンをクリックします。
すると、合計を示す値が表示されます。
セルに直接入力
関数による結果を表示したいセル(例ではB9)を選択し、以下の数式をキーボードを使って入力します。
=SUM(合計を求めたいセル範囲)
今回の例の表ではこのようになります。
=SUM(B4:B8)
数式が入力できたら「Enter」キーで確定します。すると、合計を示す値が表示されます。
SUM関数で別のシートのセルを参照する
SUM関数は範囲が隣通してる場所以外も指定が出来るようになっています。
例え別のシートを指定したいという時も簡単に指定ができます。
やり方は「,(カンマ)」を入れるだけです。
例えば「=SUM(C4,C8,B2,D4)」のように選択した後に「カンマ」で区切ってあげれば、SUM関数では離れているセルも簡単に指定する事が出来ます。
SUM関数の計算結果が0になる
SUM関数を使って0になってしまうには「計算されない」か「空白を計算している」の2パターンあります。
SUM関数が計算されない
SUM関数の使い方は知っているけども、使うと0で計算されないという事もよくあります。
上の画像を見てもらうと、一番右だけ計算されていませんよね。
SUM関数を使って計算が0になるというとは当たり前ですが原因があります。
この原因で一番良くあるのが、「文字」が入力されているという違いです。
真ん中の1円には「1」という数字に「表示形式」という特殊な方法で「円」を付けていますが、一番右は「1円」と入力しています。
つまりExcelは数字しか計算できないという事です。
もし計算が0になってしまっているのであれば、それは文字になっている可能性が高いです。
調べ方は簡単で、入力されている場所をダブルクリックしてください。
そこがもし、数字以外が入力されていた場合は計算されません。
その場合は1つ1つ消すのはすごく大変なので、「CTRL + H」を押して検索と置換を出しましょう。
そうしたら、検索する文字列に「円」を入力し、置換後の文字列は「空白」で「すべて置換」をクリックします。
そうすると、表示形式で付けた真ん中の「円」は消えずに、文字を入力した「赤く囲まれた円」だけが消えます。
このように「円」などを入力してしまっている場合は計算が出来ないので注意しましょう!
表示形式の使い方
どうしても「円」を後ろにくっつけたいという方は、表示形式を使いましょう。
セルを指定した後に、上の方にある下向き三角形をクリックしましょう。
その後「その他の表示形式」をクリックします。
セルの書式設定が表示されるので、「ユーザー定義」を開き、種類の所に「0 + 表示したい文字」を入力します。
そうすると、SUM関数は使えて尚且つ文字も表示されるようになります。
SUM関数が計算されて0が表示される
SUM関数を入れておきたいけど、自動的に計算されるから0が表示されてしまうという悩みもあります。
0が表示されて困るときの対処法は、表示形式の変更が一番簡単です。
0を消したいセルを選択して、1つ上で紹介した表示形式を開きます。
「種類」のボックスに「G/標準;G/標準;」と入力して[OK]ボタンをクリックします。
これで、SUM関数の0が表示されることは無くなります。
SUM関数の計算が合わない
Excelで小数点を含む値を合計すると計算結果に誤差が生じてしまう事もあります。
「=SUM(33+33+33)」の答えが本当は99なのに100になってしまう・・・・。
これはExcelが小数点を含む値を表示するときに四捨五入して表示するためです。
セルの実際の値と表示されている値が異なるんです。
計算が合わない原因
例えば、下の図を見てください。とある酒屋の売上を集計した表ですが、「消費税」の欄の合計値が正しくありません。
ビールの「16」と発泡酒の「15」、日本酒の「27」とワインの「82」をそれぞれ合計しますので、「16+15+27+82=140」が本当の合計値です。
ですが、SUM関数を利用して合計値を表示しているセルC8には「139」という値が表示されています。
もちろん、これはSUM関数が誤った計算をしているわけではありません。
これは、Excelが小数点を含む値を表示するときに四捨五入してセルに表示することが原因です。
「ホーム」タブのリボン内にある「小数点以下の桁数を増やす」ボタンを使用してみると、「消費税」に表示されている各数値は、すべて小数点以下の値を含んでいることがわかります。
ROUND関数で端数処理で対処する
では、今回の「消費税」を正しく合計するためにはどうすればいいのか?というと、「消費税」の値を小数点を含まないように処理します。
現状、「消費税」が全て整数の値になっているのはあくまでも表示上のみで、実際には少数点以下の情報を持っています。
そこで、この小数点以下の情報を取り除き、表示されている値と実際にセルに含まれている値を一致させます。
このような処理のことを「端数処理」と呼びます。
この端数処理を行う場合に利用できる関数が3つあります。
一言で端数処理といっても、「四捨五入」や「切り上げ」、「切捨て」など処理内容は複数ありますので、行いたい処理に応じて使用する関数を変える必要があります。
四捨五入・・・ROUND関数
切り上げ・・・ROUNDUP関数
切捨て・・・ROUNDDOWN関数
例えば、ROUND関数を利用して「消費税」を端数処理すると、下のようになり、実際の合計値と表示された合計値とが一致します。
この場合小数点が入っている「C4:C7」にROUND関数をしてあげます。
このように、小数点以下の値を含む合計を求めると、一見正しくない合計値が表示されることがあります。
SUM関数で空白や#N/Aエラーの対処法
SUM関数は基本的に空白は無視するように作られているので問題はありません。
ですが、エラーが出ている場所を参照しようとしするとエラーになってしまいます。
それが困るという時は「AGGREGATE関数」を使いましょう。
エラーを無視して計算することができます。
やり方は「=AGGREGATE(9,6,計算したいセル範囲)」です。
これで簡単にエラーが出ている所も無視して計算することができます。
SUM関数で条件指定をしたい場合
SUM関数で条件指定をしたい場合は、「SUMIF関数」を使う必要があります。
SUMIF関数を使えば条件を付けて合計を求める事が出来ます。
[kanren postid=”2028″]まとめ
このように、SUM関数を使用することで簡単に合計を求めることができます。
ただ、SUM関数は初心者が良く使う関数だから簡単!と思っていると、結構エラーが出たりして困ることが多いです。
ですが、今回解説した事がほとんどだと思いますので、参考にしてSUM関数を是非ものにしてみてください!