Excelの初心者が覚えておくべき入力規則の使い方

  • 2016年12月18日
  • 2020年11月5日
  • Excel

Excelには、セルに入力できるデータを制限することで誤入力を防止するための機能で「入力規則」というのがあります。

セルに入力規則を設定することで、予め指定されているデータ以外が入力された場合にエラーメッセージを表示し、そのデータが不正であることを伝えてくれます。

よく、誰かが入力してほしくないデータを入力していて計算が合わなかったとか、一覧から選んでほしいのに入力ミスしていたなどありますよね。

そういうのを簡単に防ぐ事が出来るのが、この「入力規則」という便利な機能です。

入力規則を設定することにより、下の画像のようなエラーメッセージが出力されるようになり、指定した文字以外は入力できなくしたり設定できます。

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この入力規則は、間違ったデータを入力されるのを防げるので、エクセルの中でも便利機能の1つです。

特に他の人が使う事がある場合は、絶対に覚えておきましょう。

入力規則の設定するときに考え方

入力規則を使う場面というのは、指定した文字や数字などを入れてほしくない時に使ったりします。

例えば、下の図のような表があったとします。

この表は、あるスポーツ用品店の売り上げを管理するための表です。

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このお店ではどの商品も「最低5個以上」の注文しか受け付けないルールだったとします。

この場合、この表の中の「数量」のフィールドには「4以下の数値」は入力されることは無いはずです。

こういう時にExcelでは入力規則を設定して、それ以外は入力できないようにします。
そうすることによって、自分自身にとっても、他の使う方にとってもすごくありがたい機能になります。

ということで、この表に「5以上の数値しか入力できない」ように入力規則を設定してみます。

入力規則を設定する方法

まず、入力規則を設定したいセル(例ではE5:E22)を範囲選択します。

そして、「データ」タブのリボンの中にある「データの入力規則」ボタンの上半分(イラスト部分)をクリックします。

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表示された「データの入力規則」画面の「入力値の種類」の項目で、「どのようなデータの入力を許可するか?」を指定します。

今回は、「5以上の数値」の入力を許可したいので「整数」という項目を選びます。

続いて、「データ」の項目で「次の値以上」を選び、「値」の項目に「5」と入力します。

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続けて、タブを「エラーメッセージ」に切り替え、「タイトル」と「エラーメッセージ」の欄に、それぞれ画面に表示したい文字列を入力します。

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入力規則のスタイルの設定

そして一番のポイントは「スタイル」の欄です。

ここでは

  1. 停止
  2. 注意
  3. 情報

の3種類から選択できます。

ですが、このスタイルで何を選んだか?によって表示されるメッセージ画面が異なります。

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スタイルそれぞれで表示される画面は次の通りです。

停止の場合

停止の場合は、入力しても絶対に変更するように求められます。

強制的に規則に則った数を入力するように求められます。

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注意の場合

注意の場合は、このまま入力を続けるか、変更するかの2択から選ぶことができます。

間違っているけど、そのまま入力したい!というときは、「はい」を押すことによって入力することができます。

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情報の場合

情報の場合は、間違っていてもお知らせしてくれるだけです。

なので、間違った数字だとしても「注意」と同じく入力することができます。

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以上で設定は完了です。「OK」ボタンをクリックします。

入力規則の動作確認

試しに、入力規則を設定したセルに規則に違反するデータを入力しましょう。

すると、それぞれ指定したタイプのエラーメッセージが表示され、データの入力を拒否されます。

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このように設定しておけば、入力してほしくない数字を入れられるという事はありません。

なので、ミスを事前に防ぐ事が出来ます。

指定したタイプによってかなり動作が異なるので、自分で試してみてどうなるのかを確認すると良いですね。

入力規則は、実際にやってみないとはイマイチ分かりにくいです。

データをリストから選ぶ方法【最重要】

データの入力規則で一番使う方法は、このデータをリストから選ぶ方法です。

Excelで作成した表にデータを入力するとき、同じ用語を繰り返し入力する必要があって「面倒だな」と感じたことはありませんか?

例えば下の表は、とあるスポーツ用品店の売上を管理している表になっていますが、「商品名」の項目には、当然そのお店で取り扱い中の商品の名前以外は入力されません。

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このような場合には「▼ボタン」をクリックし表示される商品名のリスト(一覧)から選択することで、簡単にデータを入力できるような仕組みを作ることができます。

操作対象のセル範囲(例では「商品名」の列C5:C49)を選択し、「データ」タブのリボンの中にある「データの入力規則」ボタンをクリックします。

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表示される「データの入力規則」画面の「入力値の種類」を「リスト」に変更し、「元の値」の項目に、リストに表示したい値の入力されているセル範囲(例では表品一覧表J5:J9)を指定します。

指定できたら「OK」ボタンをクリックします。

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以上で設定は完了です。入力規則を設定したセルをアクティブにすると、セルの横に「▼」が表示され、「▼」をクリックするとリストとして入力候補が表示されます。

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このように、「入力規則」と呼ばれる機能の一部を使うことで、セルに入力するデータをリストとして一覧表示してクリックでデータを入力できる環境を作ることができます。

商品一覧表をテーブルにしておくと、自動的に追加されてくれるのですごく便利です!

テーブルにするのを知っているか知っていないかだけで、10倍作業が楽になります!!

リストに表示する項目を直接入力

リストを作られなくても、直接入力してリストを作ることもできます。

操作対象のセル範囲(例では「商品名」の列C5:C49)を選択し、「データ」タブのリボンの中にある「データの入力規則」ボタンをクリックします。

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表示される「データの入力規則」画面の「入力値の種類」を「リスト」に変更し、「元の値」の項目の中に直接リストに表示したい値を半角の「,(カンマ)」で区切りながら並べて入力します。(例では「テニスラケット,グローブ,ゴルフクラブ,シューズ,ウェア」)

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以上で設定は完了です。

入力規則を設定したセルをアクティブにすると、セルの横に「▼」が表示され、「▼」をクリックするとリストとして入力候補が表示されます。

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基本的にはセルを指定したほうが簡単で便利です。

入力規則でコメントの設定方法

まず、入力規則を設定したいセル(例ではE5:E22)を範囲選択します。

そして、「データ」タブのリボンの中にある「データの入力規則」ボタンの上半分(イラスト部分)をクリックします。

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表示された「データの入力規則」画面のタブ「入力時メッセージ」に切り替えます。

そして「タイトル」の項目に、表示するメッセージ画面のタイトルに表示したい文字列(例では「数量が少なすぎます」)を入力します。

そして「メッセージ」の欄に、表示したいメッセージの文章(例では「数量には5以上の整数を入力してください」)を入力します。

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そして、「OK」ボタンをクリックすると、設定完了です。

コメントが入力されているかの確認

試しに、入力規則を設定したセルをアクティブにしてみてください。

すると、セルの横に指定したメッセージが表示されます。

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これはシンプルな機能に見えて結構使える機能ですよ!

このように、入力規則を利用すると、データの入力前にメッセージを表示し、注意を促すことができます。

このような使い方をすることで、単に不正なデータの入力を禁止するだけよりも、より利用者に親切な表を作成できます。

本当にExcelが使える人というのは難しい機能を多用するのではなくて、初心者が使うときに分かりやすいように表を作ってあげれる人です。

まとめ

このように入力規則の設定によって、様々なパターンによってエラーメッセージを変更できます。

特に使うのは、「リスト」の中から選べるようにする入力規則です。

選ぶだけで良いのですごく便利です。そして、使うときは絶対に「テーブル」にするという事を覚えておきましょう。

テーブルを使う事によって、新しく増えたリストを自動的に増やすことができます。
(これを知らないとすごく大変です。)

そして、会社の中で一つのExcelファイルを共有し、いろいろな人が同じファイルへデータを入力する場合は絶対に覚えておいて損はないです。

なぜなら、誰かが間違えて入力したり計算が違うと「誰がやったんだこれは」「お前がやったのか?」なんて犯人捜しをする人も出てきたりします。

ですが、このように入力規則を利用することで、防ぐ事が出来るので絶対に覚えて使っておきましょう。

犯人捜しするような人が使えるようになっておけ!という話なんですけどね。