Excelでデータがいっぱいあるとき、1つ1つでまとめて表示したいなって思いますよね。
そんなときに使うのが「オートフィルター」機能です。
そして、それを使いこなすために様々な機能がついており、「フィルタオプション」と呼ばれる使い方までマスターすれば「まとめたい」という願いはほぼ全て叶います。
通常Excelでは、「リスト」と呼ばれる表の形で大量のデータを記録し管理することができます。
ですが、このリストは、大量のデータを記録するのには向いていますが、そこに記録されたデータを分析するのはそのままでは困難です。
例えば下の図は、とあるスポーツ用品店での売り上げを管理しているリストですが、この表を見て、「最も売上金額が高いデータはどれか?」や「テニスラケットの売り上げの合計値は何円か?」などをぱっと把握するのは難しいです。
そこで、このExcelにはリスト内のデータを分析する機能が沢山備わっていて、そのうちの1つが「オートフィルター」です。
オートフィルター機能はエクセルの中でも、ものすごい便利な機能の1つですので絶対に覚えておきましょう。
1時間かかる確認作業が、1秒で終わってしまうくらい違いますので是非使い方をマスターしましょう!
オートフィルターを知らなかったら、Excelを使っている意味はないんじゃ無いかというくらいの機能です。
オートフィルターとは
オートフィルターとは、指定した条件に該当するデータ以外を非表示にして、必要なデータだけを画面表示することのできる機能です。
指定した条件に該当するデータ以外を非表示にして、必要なデータだけを画面表示することを「フィルター」や「抽出」と呼びます。
Excelにはこのフィルターを行うための機能が複数備わっていますが、その中で最も簡単に利用できるのがこのオートフィルターです。
オートフィルターの使い方
また、動画で使用しているエクセルファイルは、無料でダウンロードして練習する事が出来ます。
フィルターの対象となるリストの範囲内の好きな場所をクリックしアクティブにします。
そして、「データ」タブに切り替え、リボン内の「フィルター」ボタンをクリックします。
すると、リストの一番上の行にある項目名に▼のマークが表示されます。
オートフィルターでは、この▼を利用します。
フィルターの条件としたい項目に対する項目名に付いている▼をクリックします。(例では「商品名」の▼をクリックしています)
メニューが表示され該当する項目名の列に入力されている値の一覧が、チェックマークつきで表示されます。
この中から非表示にしたい項目(例では「テニスラケット」以外)のチェックを外し、「OK」ボタンをクリックします。
チェックを残した項目のみが画面に表示されます。
フィルターによって非表示になっている行がある場合は、行見出しの色が青に変わります。
また同時に、フィルターの条件となっている項目名の▼のマークも変化します。
オートフィルターの解除
オートフィルターを解除して非表示にした行を再表示する場合は、「データ」タブのリボン内にある「クリア」ボタンをクリックします。
また、オートフィルターの▼をクリックし、外したチェックを元に戻す方法でも構いません。
オートフィルターの終了
オートフィルターの使用を辞める場合には、項目名横の▼を非表示にします。
この場合は「データ」タブのリボン内にある「フィルター」ボタンをクリックします。
このようにオートフィルターを利用すると、特定の項目の中から、条件で指定した値以外を含む行を非表示にすることができます。
この機能を使うことで、多くのデータを記録しているリスト内で、自分の目的のデータだけを取り出して確認できます。
目的の項目を探すのは、1つずつ探していたらどれだけ時間がかかるかわかりませんが、難しい関数なども使うことなく一瞬で仕分けしてくれるので、絶対にフィルターの付け方・解除はまず最初にマスターしましょう。
オートフィルターの便利な使い方
オートフィルターには、一部分だけをソートして表示するという機能も備わっています。
例えば、色だけでまとめたり、一部の文字を指定したりと、まとめたいなと思った機能は全部ついていると思ってください。
初心者の時にこういうのやりたいんだけど、無いのかなーということはないと思っても良いでしょう。
単純に機能を知ればできると思ってください。
テキストフィルターの使い方
動画内で使用している、エクセルファイルは無料でダウンロードして練習できます。
「テキストフィルター」は、入力されているデータが「文字」の場合に利用できるフィルター機能です。
「テキストフィルター」機能を使うことにより、文字でフィルターをかける事ができます。
例えば、住所の一部でまとめたいときに「○○市」だけで抜き出すということも簡単にできます。
文字データが入力されている項目名(例では「商品名」)の▼をクリックし、表示されるメニューの中の「テキストフィルター」にマウスポインタを合わせます。
すると、サブメニューが表示され、さまざまな操作を選ぶことができます。
例えば、「指定の値で始まる」という項目を選んだ場合、以下のような画面が表示されます。
例のように「テニス」と入力した場合、「テニス」という用語で始まるデータだけを表示できます。
日付フィルターの使い方
「日付フィルター」は、入力されているデータが「日付」の場合に利用できるフィルター機能です。
日付フィルターを使うことにより、何日から何日までというフィルターをかける事ができます。
日付データが入力されている項目名(例では「日付」)の▼をクリックし、表示されるメニューの中の「日付フィルター」にマウスポインタを合わせます。
すると、サブメニューが表示され、さまざまな操作を選ぶことができます。
例えば、「指定の範囲内」という項目を選んだ場合、以下のような画面が表示されます。
例のように「4/1」と「4/10」を入力した場合、「4/1から4/10まで」の日付データだけを表示できます。
このように日付フィルターを使いこなすことによって、出したい日付でフィルターを実行することができます。
ここの1週間だけ見たいんだけどな・・・という要望にも簡単に表示できるようになります!
数値フィルターの使い方
また、動画内で使用しているエクセルファイルは無料でダウンロードする事が出来ます。
「数値フィルター」は、入力されているデータが「数値」の場合に利用できるフィルター機能です。
範囲内の数値でまとめたり、指定した値以上で表示したりとすごく便利なフィルター機能です。
数値データが入力されている項目名(例では「数量」)の▼をクリックし、表示されるメニューの中の「数値フィルター」にマウスポインタを合わせます。
すると、サブメニューが表示されさまざまな操作を選ぶことができます。
例えば、「指定の値より大きい」という項目を選んだ場合、以下のような画面が表示されます。
例のように「10」と入力した場合、「10」より大きい数値データを含む行だけを表示できます。
このように数値を指定することによって、その数値だけでまとめて表示することができます。
色フィルターの使い方
「色フィルター」は、データの入力されているセルに「色」が設定されている場合に利用できるフィルター機能です。
背景色をつけている場合や文字に色をつけてる場合に、その色でまとめる事ができます。
特に「条件付き書式」と一緒に使うことによって、絶大な効果を発揮するのがこの色フィルターです。
色の付いているセルを含む項目名(例では「売上金額」)の▼をクリックし、表示されるメニューの中の「色フィルター」にマウスポインタを合わせます。
すると、サブメニューが表示され、さまざまな操作を選ぶことができます。
「セルの色でフィルター」という項目には、セルの背景色に指定されている色が表示されていますので、その中から目的の色をクリックします。
この色フィルターは、入力データによって書式を適用するかどうかを区別できる「条件付書式」と呼ばれる機能と組み合わせるとすごく便利です。
なぜなら、条件付き書式では「条件」で色をつける事ができ、それをまとめて表示する事ができるからです。
このように色でフィルターをかけることによって、重要なところだけ抜き出したりができます。
あまり使い道のないように見えますが、条件付き書式と使うとすごく使い勝手が良いフィルターです。
条件付き書式を指定することによって、一気にフィルターの幅が広がりますので絶対に一緒に覚えてください。
フィルターオプションとは
フィルターは、指定した条件に該当するデータ以外を非表示にして、必要なデータだけを画面表示することのできる機能です。
フィルターを使っててよくある悩みが「フィルターかけた内容をコピーして表にしたい」という点です。
Excelには、このフィルタを行うための機能が複数備わっていますが、その中で最も簡単に利用できるのが「オートフィルター」です。
そして、このオートフィルターよりも操作は複雑になりますが、よりきめ細かな条件を指定できるフィルターも準備されています。
そのフィルターのことを「フィルターオプション」と呼びます。
フィルターオプションを覚えることにより、「オートフィルター」では実行できなかった専用の表を作る事ができます。
フィルターオプションの使い方
まず、フィルターの条件を指定するための表を作成します。
位置はリストの上でも横でもどこでも構いませんので、リストと同じ項目名を持つ表を作ります。(基のリストの項目名をコピーすると楽です)
そして、作成した条件用の表に、フィルターの条件にする値を入力します。
例えば下の図では、「支店フィールドに駅前と入力されているデータ」を表す条件になります。
次に、リスト内のどこのセルでも構わないのでアクティブにし、「データ」タブのリボン内にある「詳細設定」ボタンをクリックします。
表示された「フィルターオプションの設定」画面の中で、
- 「抽出先」を「指定した範囲」に切り替え
- 「検索条件範囲」を条件指定用の表の範囲(例ではJ4:Q5)に指定
- 「抽出範囲」でフィルター結果を表示したい位置(例ではJ7)を指定
ちなみに、抽出範囲で選んだセルが、結果表示の一番左上位置になります。
以上の設定が完了したら「OK」ボタンをクリックします。すると、フィルター結果が表示されます。
以上がフィルターオプションの基本的な操作方法になりますが、単にこれだけだと▼ボタンを利用する「オートフィルター」とできることがそれほど変わりません。
便利な点として、フィルターをかけたところを簡単に表にする事ができます。
このフィルターオプションの真価を発揮するためには「条件の指定方法」がポイントになります。
【応用】フィルター条件の指定方法
フィルターについて色々書いてきましたが、この機能の真価を発揮するためには「フィルター条件の指定方法」が最大のポイントになります。
このフィルターオプション機能を存分に使えれば、一目置かれますよ!
複数の条件の指定(AND条件)
フィルターオプションでは、フィルター用の条件を複数指定できます。
この指定した「複数の条件を全て満たす」データを検索する条件が「AND条件」です。
このAND条件を指定する場合は、下の図のように、複数の条件が同じ行になるように条件を入力します。
下の図の例では、商品名が「グローブ」と支店が「駅前」という二つの条件をともに満たすデータのみを検索しています。
複数の条件の指定(OR条件)
フィルターオプションでは、フィルター用の条件を複数指定できます。
この指定した「複数の条件のいずれかを満たす」データを検索する条件が「OR条件」です。
このOR条件を指定する場合は、下の図のように、複数の条件が異なる行になるように条件を入力します。
下の図の例では、商品名が「グローブ」と同じく商品名が「シューズ」という二つの条件のうちのいずれかを満たすデータのみを検索しています。
ワールドカードであいまい検索
また、フィルターオプションでは、「ワイルドカード」と呼ばれる特殊な記号を使ってあいまい検索を行うこともできます。
例えば下の図のように、条件として商品名「*(アスタリスク)ラケット」を入力をして検索すると、商品名「テニスラケット」と「卓球ラケット」の両方のデータが表示されます。
これは「*(アスタリスク)」が「何かしらの文字列」を意味する記号であるためです。
また、条件として商品名「??(クエスチョンマーク×2)ラケット」を入力をして検索すると、商品名「卓球ラケット」のデータだけ表示されます。
これは「?」が「何かしらの1文字」を意味する記号であるためです。つまり、「??ラケット」は「何か2文字+ラケット」を意味します。
このように、フィルターオプションを利用すると、条件にある程度幅を持たせた「あいまい検索」を行うことができます。
他のフィルターとケースバイケースでうまく使い分けるようにしてください。
この「ワイルドカード」の使い方を覚えれば、簡単に見つけたい文字を表示する事ができますので、覚えにくいですが頑張っておぼておきましょう。
まとめ
Excelの機能の中でも、特に優れている機能がこの「フィルター」機能です。
難しい関数を覚えなくても、表示したい項目を簡単に表示できることからお手軽で使いやすいです。
Excelが苦手という人でも、とりあえずフィルターさえ覚えておけばなんとなく色々な事ができます。
なので、フィルターを覚えておけば「なんとかなる」という感じです。
フィルター機能をもっと便利に使うには「ピポットテーブル」を覚えることにより、フィルターをより使い易く便利に使う事ができます。
全部の機能も、どの機能が良いというわけではなく「時と場合」に合わせて機能を使いこなしてみましょう。