Excelに備わっている「条件付書式」を利用すると、セルに入力されているデータが条件を満たす時に色を付けたりなどしてくれます。
すごく便利で、日常でExcelを使っているなら絶対覚えておきたい機能の1つですね。
例えば、下の図は、ある会社の営業担当者の売り上げ実績を管理するための表です。
この表にはE列に「合計」、そしてF列には「目標値」が入力されていて、この「合計」が「目標」に対してどうだったか?がG列に「達成率」として入力されています。
この「達成率」の中で、「100%未満」のデータだけを赤色にして強調するなどです。
この例では、条件付書式の中の「セルの強調表示ルール」という効果を利用しています。
このように、条件付き書式を使えば、入力されている所に条件を付けて自分の好きなように設定することができます。
条件付き書式の使い方
条件付き書式は、名前が示すように「指定した条件を満たしているセルにのみ書式を設定する」という機能です。
「セルに○○○という文字が入力されていたら」や「セルに○○○以上の数値が入力されていたら」のようなさまざまな条件を指定できます。
たとえば、下の表で、「50000より大きい」の数値が入力されているセルに背景色を設定してみます。
まず、書式を設定したい範囲(例ではC5:G9)を範囲選択し、「ホーム」タブのリボン内にある「条件付き書式」ボタンをクリックします。
そして、表示されたメニューから「セルの強調表示ルール」にマウスポインタを合わせ、続けて表示されたサブメニューから「指定の値より大きい」をクリックします。
表示された「指定の値より大きい」画面の「次の値より大きいセルを書式設定:」欄に「50000」と入力します。
そして、すぐ横にある「書式:」欄で、目的の書式設定(例では「明るい赤の背景」)を選択します。
そして、「OK」ボタンをクリックすると、設定完了です。
条件付書式(セルの強調表示ルール)
下の表の中で、G列の「達成率」で「100%に満たない」の値のセルのみ強調するような条件付書式を設定してみます。
まず、設定対象のセル範囲(例ではセルG4:G9)を範囲選択します。続けて、「ホーム」タブのリボン内にある「条件付書式」ボタンをクリックし、表示されるメニューの中の「セルの強調表示ルール」にマウスポインタを合わせます。
そして、更に表示されたサブメニューの中から「指定の値より小さい」をクリックします。
すると「指定の値より小さい」画面が表示されますので、左側のボックスで条件のしきい値を指定します。
今回は「100%に満たない」を条件にしたいため、「100%」と入力します。
続けて、右のボックスで適用する書式を選択します。▼ボタンをクリックすると色々な書式が表示されるため、一つ適用したい効果を選択します。
以上で操作は完了です。
「OK」ボタンをクリックすると指定した条件を満たしているセルにのみ書式が適用されます。
条件付書式の削除
一度設定した条件付書式の設定を削除する場合には、次の操作を行います。
まず、設定対象のセル範囲(例ではセルG4:G9)を範囲選択します。
続けて、「ホーム」タブのリボン内にある「条件付書式」ボタンをクリックし、表示されるメニューの中の「ルールのクリア」にマウスポインタを合わせます。
そして、更に表示されたサブメニューから「選択したセルからルールをクリア」をクリックします。
このように、「条件付書式」を利用すると、特定の条件を満たしているセルのみに書式を適用することができます。
条件付書式(上位/下位ルール)
この効果は、指定した範囲内のデータの中から、上位または下位のデータ数件にのみ書式を適用できます。
「上位/下位ルール」のサブメニューを利用して、上位なのか下位なのかを選択できます。
条件付書式(データーバー)
この効果は、指定した範囲内の数値データの大きさを、セルの背景に横棒グラフを表示して表すことのできる効果です。
指定範囲内の最大値を100%として、相対的に各数値の大きさを棒の長さで表現しています。
描画する横棒グラフの色や効果をサブメニュー内から選択できます。
条件付書式(カラースケール)
この効果は、指定した範囲内の数値データの大きさを、セルの背景色で表現します。
例えば下の図では、緑色の濃淡で数値の大小を表現していて、数値の大きなセルほど濃い緑になっています。
使用する背景色のバリエーションをサブメニュー内から選択できます。
条件付書式(アイコンセット)
この効果は、指定した範囲内の数値データの大きさを、セル内にアイコンを表示して表現します。
例えば下の図では、範囲内のデータを「上位」「中位」「下位」に分け、それぞれに「▲」「-」「▼」のアイコンを表示しています。
使用するアイコンの数とバリエーションをサブメニュー内から選択できます。
条件に数式を利用する
条件付き書式の条件に数式を使えるようになると、条件付き書式の使える幅がかなり広がります。
使い方はすごくいっぱいあるのですが、1つ覚えることにより他のも使えるようになるので、Excelを上達したい方は絶対覚えておきましょう。
まず、書式を適用したいセル範囲(例ではセルA4:A9)を範囲選択します。
そして、「ホーム」タブのリボン内にある「条件付き書式」ボタンをクリックし、表示されたメニューから「新しいルール」をクリックします。
表示された「新しい書式ルール」画面の「ルールの種類を選択してください」欄の中から「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び、「次の数式を満たす場合に値を書式設定」欄に数式を入力します。
今回の例では、「G列の達成率が100%以上の担当者名のセル」が対象となりますので、次のような数式になります。
=G4>=100%
注意点として、「数式」の入力であるため、「=(半角イコール)」から入力する必要があります。
そしてもう一つの注意点は、参照セルの指定方法です。一定のセル範囲を対象とする場合、範囲の先頭のセル(例ではセルG4)を利用して数式を作ります。
そして、セル番地を指定する際にクリックを利用すると、自動的に「絶対参照」に指定されます。この場合は「$(ドルマーク)」を外して「相対参照」になるように修正しましょう。
あとは、「書式」ボタンをクリックして、表示された「セルの書式設定」画面で希望の書式を設定します。
以上で一通りの設定は完了です。
開いている画面それぞれ「OK」ボタンをクリックして確定すると、条件を満たすセルにのみ書式が反映されます。
条件付き書式に数式を組み合わせると、殆どの事が出来るようになりますが、最初は少し難しいです。
ユーザー定義書式の使い方
このユーザー定義書式では、条件によって書式内容を変更する機能があります。
なので、「書式設定をユーザー自身が細かく設定できる機能」で、もともとExcelに用意されていないような書式を作ることができます。
たとえば、「50000より小さい」の数値が入力されているセル入力されている文字の色を「青」に、そして「50000以上」の数値が入力されているセル入力されている文字の色を「赤」に変更してみます。
まず、書式を設定したい範囲(例ではC5:G9)を範囲選択し、「ホーム」タブのリボン内にある「表示形式」ボックスの▼ボタンをクリックします。
そして表示されたメニューから「その他の表示形式」をクリックします。
表示された「セルの書式設定」画面の「表示形式」タブで、「分類」を「ユーザー定義」に変更します。
そして、「種類」の欄に元から入力されている文字列を削除し、以下を入力します。
[赤][>=50000];[青]
この記述は「;(セミコロン)」で区切られていて、「;」の左側が一つ目の条件とその書式を表しています。
「[赤]」は「文字の色を赤に」を意味し、「[>=50000]」は「50000以上ならば」を意味します。
そして、この条件に該当しない場合が「;」の右側で、「[青]」は「文字の色を青に」を意味します。
そして、「OK」ボタンをクリックすると設定完了です。
ただし、この方法で設定できる書式は文字のみで、セルの背景色の指定はできません。
条件に応じた色変更が必要な場合は、代わりに「条件付き書式」や「ユーザー定義書式」を利用しましょう。
まとめ
このように、条件付き書式が使えると、自分でわざわざ色を付けたりなどしなくて済みます。
そして、一瞬でどのデータがどうなっているのかを確認できるので、使えるようになると作業の効率がすごく上がります。
しかも、1人が使えれば、設定だけしておいてそこに数字を入力していくという使い方もできます。
なので、もし条件付き書式をそんなに使っていないという方は、すぐに使えるかどうか確認して試してみましょう。