格安SIMへのMNPで「SIMフリー」という用語をよく見かけませんか?
「格安SIMに乗り換えるにはSIMフリーをしてからじゃないと使えないよ」とか「この機種はSIMフリーに対応していないからmineoにするのがオススメだよ」とか。
そのようなアドバイスをもらっても、そもそも「SIMフリー」の意味が分からない方にとってはちんぷんかんぷんですよね?
でも安心してください。SIMフリーは確かに格安SIMを契約するときにとても重要なことですが、この記事をみればそんな「SIMフリーって何なの?」という疑問もなくなります!
そもそもSIMってなに?
「SIMフリー」っていう言葉を見たときに、まず「SIM」という言葉の意味がわからないのではないでしょうか?言葉の意味を分かる必要はないんですが、SIMがどんなものかがイメージできればSIMフリーについてもわかりやすくなりますよ。
SIMカードはどんなもの?
SIMはそのまま「シム」と呼びます。
携帯電話の中に入っている小さなチップのことをSIMカードというのですが、だいたい「SIM」というときは「SIMカード」のことを意味しています。
SIMカードを見たことがないよ、という方はスマホの側面をよく観察してみてください。針糸の穴よりも小さな穴が一つあると思います。
専用のピックをこの穴に入れるとSIMカードが取り出せるようになっています。
(だけど、なくしてしまったらスマホが使えなくなって大変なことになるので、むやみに開けないでくださいね。)
ちなみにガラケーユーザーの方は電池パックを取り外すとそこに入っています。
SIMカードにはどんな役割があるの?
SIMカードをなくしてしまうとスマホが使えなくなると書きましたが、SIMカードは携帯電話を利用するためには最も重要って言えるほど大切な役割を果たしているんです。
すごく小さなSIMカードですが、以下の情報がすべてこのSIMカードに入っているからです。
- 電話番号やメールアドレスの情報
- 契約者情報
SIMカードがスマホにきちんと挿入されていないと電話をかけたり受けたりすることができないし、また「@docomo.ne.jp」とか「@ezweb.ne.jpなどのメールアドレスも使用できません。それに、SIMカードをなくしてしまってだれか悪い人に悪用して通話などに使われてしまったら、その通話料は全部あなたのところに届いてしまいます。
通常、スマホや携帯電話をMNPや機種変更で契約したときに入れてからはほとんど取り出すことのないSIMカードですが、しっかり管理する必要があります。
SIMロックとSIMフリー
「SIM」という言葉がなんとなくわかっても、「SIMロック」「SIMフリー」っていうとまだ難しいですよね?
SIMカードについての理解ができたら、SIMロックとSIMフリーについて説明します。
SIMフリー?SIMロックって何?
SIMフリーとは「ドコモやAUなどのキャリアだけでなく、どこの携帯会社でも契約できるスマホ」の事です。
SIMロックとは「他の携帯会社と契約できないように、スマホにロックをかける」の事です。
例えばSIMロックされているスマホだと、ドコモのSIMカードをソフトバンクの機種にそのまま差し込んでも使用できません。このように、他の携帯会社のSIMで使用できないようにするために、携帯電話会社は機種にSIMロックをかけているのです。
ただし「ドコモのスマホの場合、ドコモのSIMをドコモの別のスマホに挿入してもそのまま使用できます。」ここが少し分かりにくい所ですね。
ドコモはドコモのスマホなら使えて、ドコモ以外は使えないと覚えて下さい!
SIMロックはなんのためにかけてあるの?
SIMロックがかかっている理由は、日本のかつての携帯電話の販売方法にあります。
本来は10万円ほどする携帯電話を安く販売する代わりに、月々の基本料金や通話料を少し高く設定して回収する仕組みをとっていたのです。
ユーザーが携帯電話を購入したあとすぐに解約して、他のキャリアでSIMだけ契約するようなケースでは、端末を安く売ったのに通話料で回収できないという非常に困る事態になってしまうのです。
現在は、スマホは割賦契約(毎月払い)できちんと料金が発生しているので、そのような事態にはなりません。
(スマホを解約しても、機種代金はしっかり支払わなければなりませんからね。)
SIMフリーできる機種とできない機種があるって本当?
上にあげたような日本の携帯電話の販売手法も大きく変わり、2015年6月に携帯電話SIMフリー化が義務付けられました。
ですので、現在発売されているドコモ、au、ソフトバンクの機種はSIMの制限が解除できるようになったのです。
でも、覚えておかなければならないのは、2015年6月以降に発売された機種についてはSIMフリー化に対応していますが、それより前に発売した機種についてはSIMフリー化に対応していないということです。
これから格安SIMにMNPを検討されている方は、ご自身の機種がSIMロックに対応しているか否かを確認してください。
ドコモ、au、ソフトバンク各社のホームページにて、機種ごとにSIMフリーに対応しているか否かが確認できるので、ご自身の機種と照らし合わせしてみてください。
SIMフリーに対応していない機種では格安SIMが持てないの?
機種がSIMフリーに対応していない場合、例えばドコモの機種はドコモの電波でしか利用できません。
では、SIMフリーに対応していない機種を利用中の場合は新しく機種を買わなければならないの?って思われますよね?
そんな方は、格安SIMの通信会社をうまく選べばSIMフリーをしなくても、今使っているスマホをそのまま利用できる場合があります。
格安SIMの通信会社はドコモ、au、ソフトバンクから電波を借りてユーザーに提供しています。ですので、ドコモの端末を使いたいユーザーはドコモ系の回線の格安SIMを、auのユーザーはau回線の格安SIMを選べばよいのです。(ただし、ガラケーなど機種によっては同じ回線でもそのまま利用できない場合があります。その場合は機種を購入するしかありません)
一例をあげると以下のようになります。
- ドコモ系・・・rakutenモバイル、DMMモバイル、U-mobile、lineモバイルなど多数
- au系・・・UQモバイル、mineoなど
- ソフトバンク系・・・u-mobile、nuroモバイルなど
ソフトバンク系回線は対象キャリアが少なく、機種もかなり制限されるので要注意です。ワイモバイルはソフトバンク子会社ですが、独自の回線のためSIMロックがかかった端末は使用できません。
SIMロック解除の手続き方法
SIMロック解除(=SIMフリー化)の手続き方法について案内します。
SIMロック解除の手続きはどこでできるの?
事業者別に、SIMロック解除方法を案内します。
ドコモ
ドコモショップ、ドコモカスタマーセンター、アプリのMYドコモから手続きできます。
ドコモショップ
ドコモショップに来店し、SIMロック解除をしたいことをスタッフの方に伝えてください。
ドコモショップでの手続きの場合、以下のものが必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証+住民票、パスポートなど)
- SIMロック解除するスマホ
- SIMロック解除手数料(3,240円)
ドコモカスタマーセンター
ドコモ携帯電話から「151」に発信。事前にネットワーク暗証番号を準備しておきましょう。
ドコモ契約者の場合は、手数料3,240円かかります。(解約後の場合は無料です)
MY ドコモ
マイドコモにアクセスし、「ドコモオンライン手続き」→「その他」→「SIMロック解除」を選択してください。
端末製造番号を入力する欄があります。端末情報の確認方法は機種によって少しずつ異なりますが、待ち受け画面から「設定」→「端末情報」→「IMEI情報」を選択すると35から始まる15桁の数字が表示されます。
指示に従って必要項目を入力していくと、「手続きが完了しました」と表示され、確認メールが届きます。
MYドコモで手続きをした場合、手数料がかかりません。
au
auショップもしくはMY auにて手続きできます。
auショップにて手続きする場合、以下のものが必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証+住民票、パスポートなど)
- SIMロック解除するスマホ
- SIMロック解除手数料(3,240円)
MY auau公式サイトから「SIMロック解除のお手続き」にアクセスし、画面下部の「SIMロック解除のお手続き(MY au)」をタップしてください。
auID、パスワード、4桁の暗証番号を順に入力すると手続き画面にうつります。
携帯電話の製造番号(IMEI番号)、「購入日」、「機種名」は、ドコモ同様端末の「設定」から確認できますので、あらかじめ確認しておきましょう。
MY auで手続きをした場合、解除料はかかりません。
ソフトバンク
ソフトバンクショップ、MY SoftBankにて手続きできます。
ソフトバンクショップでの手続きの場合、以下のものが必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証+住民票、パスポートなど)
- SIMロック解除するスマホ
- SIMロック解除手数料(3,240円)
MY SoftBank
- MY SoftBankにアクセス(SIMロック解除する端末から)
- ロックを解除する端末の製造番号を入力し、「次へ」を選択
- 製造番号と機種名を確認し、「解除キーを発行する」を選択
- SIMロック解除キー発行完了
MY SoftbankにてSIMロック解除を行う際には手数料は発生しません。
ベストなSIMロック解除方法は?
ドコモ、au、ソフトバンクともに、ベストなSIMロック解除方法は手数料の発生しないアプリからの解約です。
製造番号の確認が少し面倒でややこしいですが、3,240円節約できるのは非常に大きいと思います。
また、ショップの場合は混雑状況によっては待ち時間もかなり発生してしまいます。
SIMロック解除はいつやればいいの?
SIMロック解除には特にデメリットがないので、早めにおこなっておいて問題ありません。格安SIMや他社のMNPに移行する予定がなくても、ロックを解除したからといって解約になるわけでもありません。逆に、もしスマホを中古で売る場合ロックがかかっている端末よりも解除隅の端末のほうが高く売れる可能性があがります。
ただし、SIMロック解除ができない期間がありますので、注意してください。
契約直後はSIMロック解除できない
各社、携帯電話契約後のSIMロック解除について以下の制限を設けています。
ドコモ | |
直近のSIMロック解除から 6ヶ月以上経過しているユーザー |
特に制限なく、いつでもSIMロック解除可能 (携帯電話契約直後でもSIMロック解除できます) |
直近6ヶ月以内に SIMロック解除を行ったユーザー |
携帯電話契約後6ヶ月経過した後、SIMロック解除が可能 |
au | |
端末を割賦契約で購入したユーザー | 契約後、101日目以降SIMロック解除可能 |
端末を一括購入したユーザー | 契約直後からいつでも手続き可能 |
ソフトバンク |
機種購入日から101日目以降より手続き可能。 |
解約後、日数が経過するとSIMロック解除できない
解約後の機種についてもSIMロック解除ができますが、期間内でなければ手続きできません。
- ドコモ・・・解約日から3か月以内
- au・・・解約日から101日以内
- SoftBank・・・解約日から90日以内
上記の期間を過ぎてしまうとSIMフリーにできないので、スマホを解約する場合は念のためSIMフリーにしておくのが無難です。
その他のシムフリー化できない場合
以下の場合もシムロック解除ができないので注意しましょう。
- 月々の料金の支払いに未納がある場合
- 携帯電話端末がご自身のものでない場合
まとめ
SIMフリーについて、案内しました。
SIMというと少しややこしいイメージがあったかもしれませんが、決して難しいものではなかったはずです。
格安SIMを契約するためには、SIMフリーについて知っておかないと大失敗することもありますので、今回の記事を参考にしてくださいね。
ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアから格安SIMに乗り換えるには、
- SIMフリーが必要ない同じ回線を使っている格安SIMキャリアで契約する
- SIMロックを解除して、他の会社の回線を使えるようにしてから乗り換える
- 格安SIMの契約と同時に、スマホを購入する
のいずれかです。
また、SIMフリーをすれば理論上は他社の回線でも利用できるようになりますが、機器との相性などによって必ず使えるわけではありません。
格安SIMに変更する前に、動作確認が取れている端末であるかいなかをきちんと確認してから乗り換えの手続きをしてくださいね。